会社設立後、銀行口座はどこに開設すればいい?

会社設立後は、必ず会社(法人)の銀行口座が必要となります。この銀行口座はいつ開設できるのでしょうか?どこの金融機関に開設すればよいのでしょうか?税理士がポイントを解説します。   会社設立後、銀行口座はいつから … 続きを読む 会社設立後、銀行口座はどこに開設すればいい?

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会社設立後は、必ず会社(法人)の銀行口座が必要となります。この銀行口座はいつ開設できるのでしょうか?どこの金融機関に開設すればよいのでしょうか?税理士がポイントを解説します。

 

会社設立後、銀行口座はいつから開設できる?

 

これから会社を設立する場合、銀行口座の開設は会社設立前と設立後、どちらのタイミングで行えばよいのでしょうか。また、開設するにあたってはどのような書類が必要となるのでしょうか?

まず、会社設立の際の銀行口座の開設は、会社設立登記が完了した後でなければ行うことができません。

開設するにあたっては、通常、銀行に会社の登記簿謄本(現在事項全部証明書)および会社の印鑑証明書を提出する必要があります。これらの書類を取得できるのは設立登記が完了した後となります。

会社設立の登記申請をしてから会社設立登記完了までは10日~2週間程度かかりますから、少なくともその間は銀行口座を開設できないこととなります。

また、法人が銀行口座を開設する際は、審査があります。個人が銀行口座を開設するときのように即日開設という訳にはいきません。金融機関によっても違いますが、数日から数週間かかることもあります。

営業を開始する時期が決まっているのであれば、銀行口座開設にかかる期間も踏まえて、会社設立日を決めるとよいでしょう。

 

会社設立後、資本金はどうすればいい?

定款を公証人に認証してもらった後、登記を申請する前に資本金を銀行口座に払込する必要があります。その時はまだ会社名義の銀行口座はできていませんから、資本金の払込先は発起人個人名義の口座となります。設立登記が完了し、会社名義の銀行口座が開設できたら、会社名義の口座に資本金を移す必要があります。

 

会社設立後、銀行口座はどこに開設すればいい?

 

銀行口座をどこに開設するかは、①地域 ②利用目的 ③インターネットバンキングの利用 ④融資のスタンス の4つの要素で検討するとよいでしょう。

 

・地域について

会社の近くの銀行(金融機関)の方がよいことは言うまでもありません。遠方だとそもそも開設できませんし、少し遠方でも通帳記入やその他手続きで足を運ぶのが手間となります。

・利用目的について

売上の入金先口座として利用するのであれば、信用力も高く、利用している会社も多い都市銀行を利用するとよいでしょう。

一方、都市銀行などは支払の際の振込手数料が割高となっています。また、毎月の維持管理料がかかることもあります。一回あたりの振込手数料は少額でも、支払件数が多くなると、馬鹿にできない金額となります。振込手数料が比較的安いインターネット銀行を利用するとコスト削減を図ることができます。

・インターネットバンキングの利用について

インターネットバンキングを利用すれば、利用明細の照会や振込などの銀行取引をインターネットで行うことができます。都度、銀行に出向く必要がないので、大変便利です。

都市銀行や地方銀行においてもインターネットバンキングを利用できますが、月額料金がかかる場合がほとんどです。また、アクセス可能な時間で比較すると、都市銀行や地方銀行は平日の早朝や土日祝の特定日など、インターネットバンキングへのアクセスができない時間帯を設けていますが、インターネット銀行の場合は基本24時間365日(メンテナンス時を除く)アクセス可能となっていることが多く、急を要する場合でも安心です。

 

・融資のスタンスについて

都市銀行はやはり大規模法人がメインの取引先となります。最近は都市銀行でも創業支援を行っている場合もあります。それでも、比較的小規模の会社が大手都市銀行から融資を受けるのは難しいですし、担当者が細目に会社に足を運んでくれることもあまりありません。

一方で、地方銀行、第二地銀、信用金庫などは地域の中小企業を対象とした貸付け業務を積極的に行っています。そのため、今後、金融機関から融資を受けたいということであれば、これらの金融機関に口座を持っておくとよいでしょう。

これらを踏まえると、①都市銀行 ②インターネット銀行 ③地方銀行、第二地銀、信用金庫 にそれぞれ一つずつ銀行口座を開設し、利用目的によって使い分けることをお勧めします。

 

あと、最近では、クラウド会計ソフトに対応しているかどうかも一つの検討ポイントとなるでしょう。会社の会計帳簿を作成する際、通帳記帳をして会計ソフトに入力していく必要があります。しかし、クラウド会計ソフトに対応していれば、金融機関の取引データをインターネットで会計ソフトに直接取込をすることができるので、会計帳簿を作成する手間を大幅に削減することができます。

なお、あまり銀行口座が多くなると管理も大変になりますし、一つ一つのお付き合いが薄くなります。お付き合いする金融機関は絞って、その分、深くお付き合いしていく方がよいでしょう。

(関連記事)会社設立後に銀行口座を開設する方法、口座開設に必要な書類は?

 

 

まとめ

会社設立後、銀行口座はいつ開設できるのか?、どこに銀行口座を開設すればいいのか?等について解説しました。みんなの会計事務所のおすすめは、①都市銀行 ②インターネット銀行 ③地方銀行、第二地銀、信用金庫 にそれぞれ一つずつ銀行口座を開設し、利用目的によって使い分けることです。とはいっても、銀行はたくさんありますので、その中からどこを選ぶかは、足を運んで担当者と話をしたり、評判を聞いたりして、決めるとよいでしょう。