会社設立するならまず事業計画書を作ろう!目的や必要性は?

会社を設立して、これから事業をするなら、まずは事業計画書を作りましょう。なぜ、事業計画書を作らなければならいのでしょうか?事業計画書の目的や必要性などについて税理士がポイントを解説します。   事業計画書とは? … 続きを読む 会社設立するならまず事業計画書を作ろう!目的や必要性は?

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会社を設立して、これから事業をするなら、まずは事業計画書を作りましょう。なぜ、事業計画書を作らなければならいのでしょうか?事業計画書の目的や必要性などについて税理士がポイントを解説します。

 

事業計画書とは?事業計画書の目的や必要性は?

事業計画書とは?

事業計画書とは、あなたがこれからやろうとしているビジネスの概要と中長期(3年~5年程度)の計画について数値化したもののことをいいます。これから会社を設立して、ビジネスを始めるのであれば、必ず作りましょう。

 

事業計画書の目的や必要性

では、事業計画書はなぜ必要となるのでしょうか?

事業計画書はあなたがこれからやろうとしているビジネスを詳しくまとめた書類ですから、それを見ると、その事業に「将来性があるかどうか」「計画は実現可能かどうか」「儲かる事業なのかどうか」がわかります。

あなた自身は、当然、自分がこれからやろうとしているビジネスは成功すると思っているでしょうが、他人は違います。客観的な資料を基に納得しなければ、あなたのビジネスに関わってくれることはありません。事業計画書を見て、株主は出資をしたり、金融機関は融資をしたりするのです。

このように、他人に事業内容を説明するために作成することが一つ目の目的です。

そして、二つ目の目的は、あなた自身がビジネスの理解を深めるため、です。

やはりあなた自身が真剣に事業に向き合わないと、他人を説得できるような事業計画書を作ることはできません。事業計画書を作成する際にいろいろ調べることもあるでしょう。調べているときにビジネスの問題点に気づくこともあります。新たなアイデアが出てくることもあるでしょう。また、矛盾のない利益計画を作成する際は、売上・仕入れ・設備投資・人員など様々な計画も考慮する必要があります。

さらに、ビジネスを始めた後は、事業が計画通りに進んでいるのかどうかをモニタリングし、計画どおりに進んでいないときは、計画のどこに問題があったのかを分析(経営分析)し、その後の計画を修正したりしていくことができます。もともとの事業計画がないと問題点の分析や計画の修正もできません。

事業計画書はあなた自身にとってもとても大切なものですから、株主や金融機関に事業計画書を見せて説明する必要がなかったとしても、事業計画書は必ず作成しておくべきでしょう。

 

 

事業計画書に記載すること

事業計画書には主に次のような事項を記載します。

・会社概要
会社名、住所、ホームページ、資本金など会社の概要を記載します。

・経営者の経歴、事業開始の動機
経営者の略歴や事業開始の動機を記載します。

・事業の概要、ビジネスモデル
誰をターゲットにしているのか、どのようにして利益を得るのか、取引先はどこか、などの事業の魅力が伝わるように記載します。

・市場の動向、SWOT分析
どのような企業がライバルなのか、市場は伸びているのかどうか、自社の強みや弱みの分析などを具体的に記載します。

・資金計画
運転資金、設備資金がどれくらい必要で、どのようにして調達するのかを記載します。

・損益計画
いつ、どれくらい儲かるのかの計画を立てます。ずっと赤字にするわけにはいきませんから、必ず黒字になる計画を作りましょう。売上計画などの各種計画がベースとなります。

・売上計画、生産計画、人員計画、設備投資計画
売上、生産、人員、設備投資についてより詳細な計画を作ります。必ず損益計画とリンクしていなければなりません。

 

 

事業計画書を作成するときのポイント

できるだけ具体的なものにする

事業計画書に記載する事項は、漠然としたもの・曖昧なものではなく、できるだけ具体的なものとするようにしましょう。

例えば、事業内容を単に「飲食店」とするのではなく、「○○をターゲットに、特別な○○な空間と○○産の食材を使った○○料理を提供する店」の方が具体的で相手に伝わりやすいでしょう。さらに、ある程度具体的に書くことによって、○○の空間を作るための費用がわかったり、○○産の食材を仕入れるためのルートの開拓・仕入れ費用がわかったり、事業計画書がドンドンと精度の高いものになっていくのです。

 

必ず数値は矛盾がないものにする

事業計画書には多くの数値がでてきますが、それらの数値はすべて関連しているものです。

例えば、人員計画で従業員の増員が計画されているのに、人件費が増えていない、ということであれば計画に矛盾があることになってしまいます。計画に矛盾があると、特に数値を見るプロでもある金融機関などを説得することはできません。

また、数値に矛盾があるということは、事業の行き詰まりを示している可能性もあります。

各数値(各計画)に矛盾がなく、整合しているかどうかは何度もチェックしましょう。

 

凝らなくてよいので内容を充実させる

ここまで説明してきたたように事業計画書にはたくさんのことを記載します。

そして、何より大切なのは内容で、見た目ではありません。プレゼン資料のように立派な事業計画書ができあがるともちろんよいのですが、そのためには相当な時間がかかります。まずは、見た目は凝らなくてもいいので、内容を充実させるようにしましょう。

 

 

 

まとめ

事業計画書について解説しました。これから会社設立するなら、この事業計画書は必ず作成しておきましょう。当初の計画が甘かったことにより、会社設立後の事業がうまくいかないケースも多くあります。会社設立前に、しっかりとした事業計画を立てることで、事業を早く軌道に乗せることもできるようになるでしょう。