2019年10月から地方税の電子納税が可能になりました

2019年10月1日から地方税共通納税システムの運用が開始され、地方税の電子納税をすることができるようになりました。今回は、地方税の電子納税について税理士がポイントを解説します。   地方税共通納税システムとは … 続きを読む 2019年10月から地方税の電子納税が可能になりました

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2019年10月1日から地方税共通納税システムの運用が開始され、地方税の電子納税をすることができるようになりました。今回は、地方税の電子納税について税理士がポイントを解説します。

 

地方税共通納税システムとは?

2019年10月1日から地方税共通納税システムの運用が開始されました。地方税共通納税システムとは、インターネットを使った簡単な手続きで、事前に登録した金融機関口座から直接、地方税の納税をすることができる仕組みのことをいいます。インターネットバンキングの契約も不要で、税理士などの代理人に依頼して納税することもできます。
取扱いできる金融機関は、地方公共団体の指定する金融機関に限られず、銀行、信用金庫、信用組合など多くの金融機関で利用することができます。

地方税共通納税システムを利用して納税できる税金
地方税共通納税システムを利用して納税できる税金は、次のとおりです。

①法人都道府県民税
②法人事業税
③地方法人特別税
④法人市町村民税
⑤事業所税
⑥個人住民税(特別徴収分、退職所得分)

地方税共通納税システムを利用すれば、複数の地方公共団体に対して一括して電子納税をすることができます。個人住民税の特別徴収など、地方税の納税事務はこれまで事業者にとって大きな負担となってきましたが、このサービスを利用することで、負担の軽減を図ることができます。

(関連記事)法人税や消費税の納付期限や納付方法は?|会社設立前にすべきこととは

 

地方税共通納税システムのメリット・デメリット

地方税共通納税システムのメリットは次のとおりです。

・土日祝日や年末年始を除いて、毎日8時30分~24時までの間、利用することができます。
・一度の操作で複数の地方公共団体に対して一括して電子納税することができます。
 また、すべての地方公共団体が対応しています。
・申告から納税までを一連の手順の中で行うことができます。税理士などの代理人にダイレクト納付を依頼すれば、納税のための事務負担がほとんどなくなります。
・銀行、信用金庫、信用組合など多くの金融機関で利用することができます
・システムの利用手数料はかかりません。

 

一方、地方税共通納税システムのデメリットは次のとおりです。

・初めに口座情報を登録する手続きが必要となります。

 

初めに口座情報を登録する事務負担は生じますが、一度登録すれば、以後継続して電子納税をすることができるためそれ以上に大きな事務負担の軽減を図ることができます。地方税共通納税システムのデメリットはほとんどないといってよいでしょう。

 

地方税共通納税システムの利用手順

地方税共通納税システムの利用手順は次のとおりです。

1.口座情報の登録

地方税共通納税システム(ダイレクト納付)を利用するには、まず、口座情報を登録し、金融機関で審査を受けることが必要です。
口座情報の登録はPCdesk(WEB版)またはPCdesk(DL版)から行うことができます。
なお、口座情報の登録に先立って、電子申告の利用届出等は済ませておかなければなりません。

 

2.電子納税の手続き

口座情報の登録は最初に一度行うのみの手続きです。
以後、電子納税をするには、次のような方法があります。

①電子申告データ・特別税額通知と連動して電子納税をする方法

電子申告後の申告データに基づいて、電子納税を行う方法です。また、提出済みの申告データを選択すれば、その申告内容に応じた税金を納税することができます。なお、個人住民税の場合は、退職所得に係る納入申告や特別徴収で税額通知が電子的に送付されている場合に利用することができます。

②納付金額等を入力して電子納税をする方法

納税先となる地方公共団体や税目、納税する金額などを直接入力して、電子納税をする方法です。

 

まとめ

これまで国税はダイレクト納付、クレジットカード納付、振替納税など便利な納税方法が用意されていましたが、地方税の納税方法は種類が少なく、また対応していない地方公共団体もあるなど納税のために多くの事務負担がかかってきました。今回導入された地方税共通納税システムを使って電子納税をすれば、納税のための事務負担が大幅に軽くなるでしょう。また、税理士などの代理人に依頼すれば、会社などの納税義務者の地方税の納税事務の負担をほとんどなくすことも可能となるでしょう。