新型コロナウイルス感染症

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持続化給付金・家賃支援給付金を受け取ったときの会計処理と税金

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、収入が減少した事業者に対する支援措置として、持続化給付金や家賃支援給付金などがあります。この持続化給付金や家賃支援給付金を受け取ったときに税金はかかるのでしょうか?

 

持続化給付金・家賃支援給付金とは?

持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、2020年中の任意の1か月の収入(売上)が、前年同月と比べて大幅に減少した中小法人、個人事業者等に対して、最大200万円(個人事業者は100万円)が支給される給付金のことをいいます。

家賃支援給付金とは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、2020年5月から2020年12月までの間の任意の期間の収入(売上)が、前年同期と比べて大幅に減少した中小法人、個人事業者等に対して、家賃の負担を軽減する目的で、支払った家賃や収入の減少幅に応じて支給される給付金(法人は最大600万円、個人事業者は最大300万円)のことをいいます。

いずれも細かく支給されるための要件が決められていますので、まずは支給要件を確認するようにしましょう。

 

 

持続化給付金・家賃支援給付金に税金はかかる?

法人税や所得税

持続化給付金や家賃支援給付金は、収入に計上し、利益(所得)がでたときは、その利益(所得)に対して、法人税(法人の場合)や所得税(個人の場合)がかかることとなります。収入に計上したとしても利益(所得)がでなかったときには、その年は法人税や所得税はかかりません。

せっかく支援のために受け取った給付金なのに、なぜ税金がかかるのでしょうか?

持続化給付金や家賃支援給付金は、すべての者に給付されるものではなく、売上が減少した事業者を支援するために、一定の要件を満たした者に対して支給されるものです。いわば、売上を補填したり(持続化給付金)、家賃負担を軽減する(家賃支援給付金)ための支援金であり、それを受け取った結果、利益がでた場合にはその利益に対して税金(法人税や所得税)がかかります。

 

消費税

持続化給付金や家賃支援給付金は、対価性がないため、消費税の課税対象とはなりません。受け取ったときは「不課税取引(対象外取引)」に区分することとなります。

なお、各地方自治体が支給する休業支援金も同様と考えられますが、支援金の種類によっては取扱いが異なる可能性があるので、各地方自治体が公表する文書等を確認して処理をするようにしてください。

 

 

持続化給付金・家賃支援給付金を受け取ったときの仕訳は?

持続化給付金・家賃支援給付金を受け取ったときの仕訳は次のようになります。

(普通預金)1,000,000 /(雑収入) 1,000,000

このとき、消費税区分は「不課税取引(対象外取引)」として処理します。

なお、これらの給付金は原則として、「支給決定を受けた日」に計上しなければなりません。期末日(年末)付近に支給決定を受けたものの、入金が翌期(翌年)となるときは、「未収計上」する必要があると考えられますので、注意してください。

 

 

まとめ

持続化給付金・家賃支援給付金を受け取ったときの税金・仕訳について解説しました。税金の取扱いをして正しく申告をするようにしましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響で申告・納税が困難なとき

この度の新型コロナウイルス感染症の拡大によりご事業・生活に影響を受けられている皆様に心よりお見舞い申し上げます。今回は新型コロナウイルス感染症で影響で、申告期限までに税金(国税)の申告や納税が困難なときの対応について解説します。

 

期限までに申告・納付等ができないとき

法人税や相続税などについては、申告期限の一括延長の対象とはされておらず、原則として、従来どおりの申告期限までに申告・納税を終わらせる必要があります。

しかし、災害その他やむを得ない理由による個別延長制度を利用して、税務署に申請することにより個別延長が認められる可能性があります。

新型コロナウイルス感染症に関連しては、次のようなケースでやむを得ない理由があるものと判断されます。

<個人・法人共通>
・依頼する税理士(職員を含む)が感染症に感染したこと。
・納税者・役員・経理責任者などが、現在、外国に滞在しており、入出国に制限等があること。
・感染症の影響で経理担当部署を閉鎖 あるいは、感染拡大防止のための休暇取得の勧奨で経理担当部署の従業員の多くが休暇を取得していることなどによって、会社や個人事業主、税理士事務所などが通常の業務体制を維持できない状況が生じたこと。

<法人>
・感染症の拡大防止のため定時株主総会の開催時期を遅らせる措置を講じたこと。

<個人>
・納税者などが感染症に感染したか、感染症の患者に濃厚接触した事実があること。
・感染症に関連して、納税者が、保健所・医療機関等から外出自粛の要請を受けたこと。

 

申告期限等の延長を受けようとする場合は、災害その他やむを得ない理由のやんだ日から相当の期間内(おおむね1か月以内)に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することにより、税務署長等が指定した日(災害等のやんだ日から2か月以内)まで期限が延長されます。

なお、個別延長を申請する際、税務署はその状況を確認することになるため、申請者の状況、税理士の関与状況、部署の閉鎖や業務制限の状況、緊急措置の概要などの具体的な事実を申請書に記載する必要があります。

 

資金繰りが悪化して税金の納付ができないとき<個人、法人共通>

新型コロナウイルス感染症に関連して、売上が減少するなどの理由により資金繰りが悪化し、税金の納付が困難なときは、税務署に申請することにより、次の要件のすべてに該当するときは、原則1年以内の期間について「換価の猶予」(財産の差押えや売却の猶予)を受けることができます。

 

換価の猶予を受けるための要件

1)国税を納めることにより、事業の継続や生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
2)納税について誠実な意思があると認められる可能性こと
3)その他の国税の滞納がないこと
4)納期限から6か月以内に申請書が提出されていること

税務署の審査を経て猶予が認められると、原則1年間(延長の可能性あり)猶予が認められ、猶予期間中の延滞税が軽減されることとなります。

 

また、新型コロナウイルス感染症に関連して、次のような個別事情があるときは「納税の猶予」を受けることができます。

1)災害により財産に相当な損失が生じた場合
(例:新型コロナウイルス感染症の患者が発生したこと伴う消毒作業により、食材を廃棄した場合など)
2)本人や家族が病気にかかった場合
3)事業を休廃止した場合
4)事業に著しい損失を受けた場合
(例:新型コロナウイルス感染症の影響で予約キャンセルが相次ぎ、事業に著しい損失が生じた場合 など)

これらの猶予制度の適用を受けた場合は、猶予期間内に分割して税金を納めることとなります。

新型コロナウイルス感染症の影響で納税が困難なときは、早めに税務署の徴収担当に電話で相談するようにしましょう。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響により、申告期限までに税金(国税)の申告や納税が困難なときの対応について解説しました。「納付の猶予」を受けても税金が免除される訳ではありません。原則として延滞税もかかるため、お勧めの方法ではありませんが、一定期間猶予を受けることで、資金繰りが楽になることもありますので、資金繰り対策の一つの手段として知っておきましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への助成金

この度の新型コロナウイルス感染症の拡大によりご事業・生活に影響を受けられている皆様に心よりお見舞い申し上げます。今回は新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様に対する主な助成金について解説します。

 

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への助成金

新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様が活用しやすい主な助成金制度として、雇用調整助成金、小学校休業等対応助成金・支援金、時間外労働等改善助成金(テレワークコース)の3つを紹介します。

雇用調整助成金

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、営業を縮小することとなり、その期間中も従業員の雇用を維持したまま休業手当等を支給する場合には、雇用調整助成金を受けることができる可能性があります。

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものをいいます。

2020年4月1日から2020年6月30日までの期間を緊急対応期間とし、要件の緩和や助成率の拡充などが行われます。

 

(緊急対応期間中の制度の概要)

【対象】
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)

【主な要件】
直近1か月の売上高が前年同月と比較して5%以上減少していること

【対象】
雇用保険被保険者+雇用保険被保険者以外

【助成率】
中小企業・・・休業手当等の4/5、大企業・・・休業手当等の2/3(上限あり)

       (解雇しない場合・・・中小企業9/10、大企業3/4)

【計画届】事後提出可能

【支給限度日数】1年100日、3年150日+緊急対応期間

 

 

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金

新型コロナウイルス感染症への対応として小学校等(幼稚園や保育所等も含まれます)の臨時休業等が行われたことによって、仕事を休まざるをえなくなった保護者の方などを支援するための助成金です。

事業主が、対象となる保護者に対して、年次有給休暇以外の特別の休暇を取得させた場合に、有給休暇中の賃金相当額の100%の助成金を受けることができる制度です。

当初は2020年3月31日までの期間でしたが、2020年6月30日まで延長されました。

 

 

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主に対して、テレワークの導入費用の1/2の補助(上限100万円)を受けることができる制度です。

【対象事業主】
新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主

【助成対象の取組】
・テレワーク用通信機器の導入・運用費用(パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は除く)
・就業規則・労使協定等の作成・変更等の費用

【主な要件】
事業実施期間中に助成対象の取組をして、テレワークを実施した労働者が1人以上いること

【事業実施期間】
2020年2月17日から2020年5月31日まで

【支給額】
補助率:1/2(上限100万円)

テレワーク用通信機器の導入・運用費用とは、自宅から会社へ遠隔操作する通信機器か、在籍管理するソフトウェアなどが対象となるようです。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者が受けることができる主な助成金制度について解説しました。この他にも様々な補助金・助成金制度がありますので、積極的に活用して、国・地方公共団体等の支援を受けながら、この危機を乗り越えましょう!

今回紹介した制度は、投稿日現在公表されているものです。制度内容が変更される可能性があるため、実際に助成金の申請をする際は、最新の情報を確認するようにしてください。

 

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