2019年10月1日から消費税率の引上げに伴って、消費税の軽減税率制度が導入されます。事業者は、複数税率に対応できるレジの導入やシステム改修が必要となりますが、そのためには費用がかかります。しかし、軽減税率対策補助金を使えば、軽減税率制度への対応のための費用の補助を受けることができます。
軽減税率対策補助金とは?
軽減税率対策補助金とは、消費税軽減税率制度への対応が必要な中小企業・小規模事業者等が、複数税率対応レジの導入や受発注システム・請求書管理システムの改修等を行う際に、その経費の一部について補助を受けることができる制度です。消費税の軽減税率制度への対応が円滑に進むよう支援するために設けられています。
この軽減税率対策補助金の対象となる経費には、次の3つのパターンがあります。
A型:複数税率対応レジの導入等にかかる経費 B型:受発注システムの改修等にかかる経費 C型:請求書管理システムの改修等にかかる経費 |
それぞれの類型によって、事前申請または事後申請が必要となり、期限もありますので注意してください。
軽減税率対策補助金の補助対象期間
複数税率対応レジおよびレジシステムの導入又は改修を終え、支払いは、2019年9月30日までに終える必要があります。リースを利用する場合は、リース契約日及びリース開始日が2019年9月3日以前であることが必要です。
また、補助金申請書類の提出は2019年12月16日までに行う必要があります。
なお、補助金の累計によって、事前申請が必要であったり、業者から申請を行うなど期限や要件に違いがありますので、注意してください。
軽減税率対策補助金の対象となる中小企業・小規模事業等
軽減税率対策補助金の対象は、中小企業支援法に規定する中小企業者です。
中小企業支援法に規定する中小企業者とは、次に該当する個人または会社のことをいいます。
①製造業または②~④以外の業種(※ゴム製品製造業は別基準) | 資本金、出資の総額が3億円以下 または 従業員数が300人以下 |
②卸売業 | 資本金、出資の総額が1億円以下 または 従業員数が100人以下 |
③小売業 | 資本金、出資の総額が5千万円以下 または 従業員数が50人以下 |
④サービス業 | 資本金、出資の総額が5千万円以下 または 従業員数が100人以下 |
業種は主たる事業で判定し、上記以外にも一定の組合・連合会等が対象となります。
ただし、大企業の子会社など、みなし大企業に該当する場合は補助対象外となります。
みなし大企業とは次のいずれかに該当するものをいいます。
① 発行済株式の総数または出資価格の総額の1/2以上を同一の大企業が所有している中小企業者
② 発行済株式の総数または出資価格の総額の2/3以上を大企業が所有している中小企業者
③ 大企業の役員または職員を兼ねている者が、役員総数の1/2以上を占めている中小企業者
軽減税率対策補助金の3つの申請類型
軽減税率対策補助金には、A型(複数税率対応レジの導入等支援)・B型(受発注システムの改修等支援)・C型(請求書等管理システムの改修等支援)の3つの申請類型があり、申請類型によって補助される金額や適用を受けるための要件が異なります。
A型(複数対応レジの導入等支援)
A型(複数対応レジの導入等支援)には、A-1型 レジ・導入型、A-2型 レジ・回収型、A-3型 モバイルPOSレジシステム、A-4型 POSレジシステムの4つの類型があります。
A型の補助率は、原則として2/3(3万円未満の機器を1台だけ導入する場合3/4、タブレット等の汎用端末1/2)で、補助上限額はレジ1台あたり20万円(加算あり)・1事業者あたり200万円となります。
このA型の補助対象となる主な経費は。レジ本体、レジ付属機器、機器設置費用、商品マスタの設定費用です。
B型(受発注システムの改修等支援)
B型(受発注システムの改修等支援)には、B-1型 受発注システム・指定事業者改修型、B-2型 受発注システム・自己導入型の2つの類型があります。
B型の補助率は原則として2/3で、補助上限額は小売事業者等の発注システム1,000万円(卸売事業者等は150万円、受注・発注両方の改修・入替が必要な場合1,000万円)となります。
このB型の補助対象となる主な経費は、データのフォーマットやコード等の改修、複数税率に対応したシステムへの入替、商品マスタ・発注・購買管理・受注管理機能のうち、複数税率対応に伴い必要となる改修や入替などです。
C型(請求書等管理システムの改修等支援)
C型(請求書等管理システムの改修等支援)には、C-1型 請求書管理システム指定事業者改修・導入型、C-2型 請求書管理システムソフトウェア自己導入型、C-3型 請求書管理システム事務機器改修・導入型の3つの類型があります。
C型の補助率は、改修作業費やソフトウェアが3/4で、ハードウェアは1/2、補助上限額は1事業者あたり150万円です。
このC型の補助対象となる主な経費は、改修作業費、付帯費用、ソフトウェア、ハードウェアです。
なお、B型とC型の両方の補助金を申請することもできます。
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まとめ
軽減税率対策補助金について解説しました。期限を過ぎると補助金を受けることができませんし、申請要件や申請方法が細かく決められていますので、軽減税率対策補助金のホームページもしっかりと確認してください。消費税の軽減税率制度の対応のためにはお金もかかりますが、補助金を使えば、負担も軽減されます。軽減税率対策が必要となる中小事業者の方は必ず活用しましょう。