サブリース契約とは、不動産オーナーが不動産会社へ部屋を貸し、その部屋を不動産会社が入居者へ貸すシステムのことです。別名を「一括借り上げ」といいます。では不動産投資においてサブリース契約を結ぶことには、一体どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
今日は、不動産投資におけるサブリース契約のメリットとデメリットをご紹介します。サブリース契約に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資におけるサブリース契約のメリット4選
不動産投資におけるサブリース契約のメリットは、次の4つです。
1.空室リスクを避けられる
空室リスクを避けられることは、サブリース契約の最も大きなメリットといえるでしょう。
不動産投資において、最も避けるべきリスクは空室による家賃収入の減少です。しかし一般的なサブリース契約は、たとえ賃貸物件に空室があっても満室のときと同じ金額の家賃を保証してくれます。
つまりサブリース契約を結べば、不動産投資で最も大きなリスクを避けられるということです。
2.滞納リスクを避けられる
滞納リスクを避けられることも、不動産投資においては大きなメリットといえます。
滞納リスクとは、入居者が家賃を滞納することによって起こる収入の減少を指す言葉です。現行の法律では、家賃を滞納するからといって簡単には入居者を追い出せません。だからこそ滞納のリスクは恐ろしいのです。
一方サブリース契約では、入居者が家賃を滞納した場合にも収入を保証してもらえます。
3.時間を節約できる
賃貸物件の経営や営業に時間を割かなくていいことも、サブリース契約を結ぶメリットです。
一般的なサブリース契約では、入居者の募集や契約などの業務から物件の管理業務まで手間のかかる業務を不動産会社に全て任せられます。これらの手間は、特に副業で不動産投資を始める人にとっては思いのほかネックとなる点です。
不動産投資にあまり多くの時間を費やせない人は、サブリース契約で大きなメリットを得られるでしょう。
4.精神的な負担が少ない
4つ目のメリットは、精神的な負担が少ないことです。
不動産投資でサブリース契約を結ぶと、自分で全てを担う場合と比べて収入が安定します。これは、1つ目および2つ目のメリットでお伝えしたようにサブリース契約を結んだ不動産会社が家賃分の収入を保証してくれるからです。
またサブリース契約の場合、入居者関連のトラブルが発生した場合にも不動産会社があなたに代わって対応してくれます。トラブルの対応は精神的な負担が大きくかかる業務ですので、自ら対応しなくていいことはオーナーにとって大きなメリットとなるでしょう。
不動産投資におけるサブリース契約のデメリット4選
不動産投資におけるサブリース契約には、デメリットもあります。
代表的なデメリットは、次の3つです。
1.家賃の満額を得られない
実は不動産投資におけるサブリース契約では、家賃の満額を得られません。
当然のことながらサブリース契約を結ぶと手間を省ける分、費用がかかります。その費用を家賃収入から差し引かれるため、サブリース契約を結ぶと家賃の満額は得られないのです。
また確実に入居者を集めるために、不動産会社が相場よりやや低い家賃を設定する可能性もあります。この場合は相場よりも低い家賃からさらに手数料を引かれるため、思いのほか収入が少なくなるかもしれません。
もし自分の想定する家賃を得られないと経営が厳しいなら、サブリース契約を選ぶかどうかは慎重に判断したいところです。
2.入居者を選べない
不動産投資においては、入居者を選べないこともデメリットといえます。
もちろんサブリース契約を結ぶ不動産会社によっては、しっかりと入居者の質も管理してくれるでしょう。しかしいつまでも空室のままにしておくと、不動産会社も利益を得られません。そのため空室を防ぐためにとりあえず入居してもらうといったケースは、なきにしもあらずです。
サブリース契約で不動産投資を始める際は、必ずしもあなたの望む入居者へ部屋を貸してもらえるとは限らないことを覚えておいてくださいね。
3.賃貸経営のノウハウを得られない
3つ目のデメリットは、賃貸経営のノウハウを得られないことです。
不動産投資を成功させるためには、さまざまな経験を積み、ノウハウを得る必要があります。しかしサブリース契約は経営や管理を不動産会社に任せっきりにするため、オーナーは不動産投資にまつわるノウハウを増やせません。
もちろん人によっては、ノウハウを得られないことが必ずしもデメリットになるとは限らないでしょう。しかし自分で試行錯誤しながら物事を進めていくのが好きな人は、いつまでたっても不動産投資の初心者でいることを「つまらない」と感じる可能性があります。
まずは1部屋、次は2部屋、と投資物件を増やしていきたい人は、賃貸経営のノウハウをどう増やすのかについてもあわせて考える必要があるかもしれません。
4.サブリース契約の変更や解除をされるリスクがある
サブリース契約には契約期間が設けられています。順風満帆であっても、契約期間が到来すると、サブリース料の減額などオーナーが不利になるような契約内容への変更を求められることがあります。また、契約解除となる可能性もあります。契約期間の到来後は、条件が悪化する可能性があるということを認識した上で、サブリースをするかどうかを検討しておく必要があります。
まとめ
今日は、不動産投資におけるサブリース契約のメリットとデメリットをご紹介しました。不動産投資自体に向き・不向きがあるように、サブリース契約にもオーナーや物件によって向き・不向きがあります。決してトラブルの少ない経営方法ではありませんので、サブリース契約を選ぶかどうかは慎重に判断してくださいね。