マンション管理組合 収益事業を行っているときの税金

マンション管理組合でも法人税等が課税される場合がある 株式会社など営利目的の法人はすべての所得に対して法人税等が課税されます。一方、マンション管理組合はマンションの管理を行う法人格のない民法上の組合で、その管理を行ってい … 続きを読む マンション管理組合 収益事業を行っているときの税金

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マンション管理組合でも法人税等が課税される場合がある

株式会社など営利目的の法人はすべての所得に対して法人税等が課税されます。一方、マンション管理組合はマンションの管理を行う法人格のない民法上の組合で、その管理を行っている範囲では法人税や消費税などの税金はかかりません。しかし、法人税法上は「人格のない社団等」に該当し、収益事業を行っている場合には法人税や消費税などの税金が課税されることがあります。

収益事業を行っている場合とは、次のようなケースが考えられます。

・携帯基地局(アンテナ)や看板の設置場所を貸しているとき
・区分所有者以外に対して駐車場を貸しているとき
・自動販売機の設置料収入があるとき
・太陽光発電設備による電力売却収入があるとき など

なお、消費税に関しても原則として課税対象となりますが、基準期間の課税売上が1,000万円以下であるときは消費税の免税事業者となることができます。そのため、大規模な収益事業を行っていない限りは、消費税の申告と納税の必要はないでしょう。

 

税務署から「事業内容等についてのお尋ね」が届いたときの対応

税務署から「事業内容等についてのお尋ね」といった文書がマンション管理組合に届くことがあります。これは収益事業を行っていないかどうかについて税務署が確認を求める書類です。

この「事業内容等についてのお尋ね」はすべてのマンション管理組合に対して送付されるものではなく、税務署側で収益事業を行っている可能性が高いと判断したマンション管理組合に対して送付されるものです。

携帯基地局(アンテナ)や看板を設置している、区分所有者以外への駐車場貸しを行っているなどを確認している可能性もあるため、正しく回答するようにしましょう。

 

マンション管理組合が収益事業を始めたとき

マンション管理組合が収益事業を始めたときは「収益事業開始届出書」を所轄の税務署長に対して提出します。その際、「青色申告の承認申請書」も一緒に提出し、青色申告の承認を受けておくとよいでしょう。また、都道府県・市区町村に対しても「収益事業開始届」の提出が必要です。これらを提出する際、管理規約の提出も求められることがありますので準備しておきましょう。

「収益事業開始届」を提出すると、以後、税金の申告が必要なタイミングで税務申告書の用紙や税金を支払うための納付書が送られてきます。

 

マンション管理組合の収益事業の申告、必要経費はどうなる?

収益事業を行っている場合、マンション管理組合の事業年度末から2か月以内に法人税等の申告を行うことが必要です。

このときの法人税などの課税の対象は収益事業から生じた所得についてのみとなります。そのため、収益事業と収益事業以外を区分して経理処理を行わなければなりません。日頃から区分して経理処理していないときは収益事業のみを抜き出して、貸借対照表及び損益計算書などを作成することとなります。

所得を計算する際には必要経費を計上することが認められます。収益事業のために直接要した経費はそのまま控除することができますし、管理費・清掃費・補修費・日常点検費など収益事業以外の事業と共通で生じた費用については、合理的な基準で按分して、必要経費となる金額を計算することとなります。

外部に駐車場を貸している場合、その募集に要した費用(仲介手数料や広告宣伝費など)は、直接要した費用として収益事業の必要経費となります。なお、駐車場施設のような資産については、通常、マンション管理組合の所有物ではなく区分所有者の共有物となっています。そのため、マンション管理組合の収益事業の所得計算にあたって減価償却費を計上することはできません。固定資産税についても同様と考えられます。

(参考)国税庁「マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(照会)」

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