確定申告Q&A

住宅ローン控除の確定申告 住宅ローン控除適用初年度、住民票の写しが原則不要に!

住宅ローン等を利用してマイホームの新築、購入、増改築等をしたときで、一定の要件を満たすときは、所得税の税額控除を受けることができます(住宅ローン控除)。

この住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)等を初めて適用するときの確定申告を行う際には、従来、添付書類として住民票の写しが必要となっていました。
しかし、マイナンバー制度の導入により、平成28年分の確定申告より、原則として住民票の写しの添付は不要になりました。


■新築住宅を取得し、住宅ローン控除を受ける場合に必要となる添付書類


・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
⇒確定申告書の明細書です
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki01/shinkokusho/pdf/h28/14.pdf

・家屋の登記事項証明書(原本)や請負契約書の写し、売買契約書の写しなどで家屋の取得年月日・床面積・取得価額などがわかるもの

・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
⇒金融機関等から交付されます。

(敷地の購入に係るローン等について住宅ローン控除の適用を受けるとき)
・敷地等の登記事項証明書、敷地等の分譲に係る契約書の写しなどで、敷地等の取得年月日・取得価額などがわかるもの

(認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除の特例の適用を受けるとき)
・認定住宅等であることを証明する書類

医療費控除と確定申告 市販のかぜ薬の購入費用は医療費控除の対象となりますか?

医薬品の購入費用は、治療や療養に必要なもので、その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額について、医療費控除の対象となり、医師の処方や指示があることが要件とはなっていません。
そのため、かぜの治療などのために薬局や薬店などで市販されているかぜ薬(大衆薬)の購入費用は、医師の処方や指示がなくても、医療費控除の対象となります。

なお、「医薬品」とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第1項《医薬品の定義》に規定する医薬品をいいますが、医師の処方や指示があればその医薬品が医療費控除の対象となる医薬品に該当するとは限らないので注意が必要です。

また、漢方薬やビタミン剤も治療または療養のための効能があるほか、疾病の予防や健康の増進にも効能があります。そのため、漢方薬やビタミン剤の購入費用についても、それが上記の「医薬品」に該当し、治療又は療養のために必要である場合は、医療費控除の対象となります。

医療費控除の適用を受けるときには薬局や薬店で薬を購入したときの領収書が必要となりますので、必ず入手するようにしておきましょう。

医療費控除と確定申告 医療費控除 医療費が未払いであるとき

自己や自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費が一定の金額を超える場合には、一定の金額を超える部分について所得控除を受けることができます(医療費控除)。


この医療費控除の対象となる医療費の要件は、
①   自己や生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費であること。
②    その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること。
とされています。

上記の要件を満たすためには、医療費をその年中に現実に支払っていなければなりません。そのため、医療費の請求を受けているけれども支払っておらず未払となっている医療費は実際に支払うまでは控除の対象とはなりません。

なお、医療費をクレジットカードで支払ったような場合は、信販会社が患者に代わって医療費を立替払いしていることになりますので、信販会社に対してクレジットカード利用分の支払いが終わっていなかったとしても、その年の医療費控除に含めることとなります。

譲渡所得と確定申告 海外不動産を売却して利益が出たときの確定申告

日本の居住者は、原則として日本国内で生じた所得と日本国外で生じた所得のいずれについても、日本で税金がかかります。
そのため、日本の居住者が、海外の不動産を売却したことにより利益が出たときには、国内にある不動産を売却したときと同様に、譲渡所得が生じ、所得税の確定申告をしなければなりません。

このように国内で生じた所得と国外で生じた所得のいずれについても日本で課税されることとなりますが、しかし、国によっては、現地で生じた所得について現地の法令に基づいて現地で所得税に相当するものが課税されることもあります。このような場合には、一つの所得に対して、日本と外国とで二重に課税されてしまうこととなります。

この国際的な二重課税を回避するために、一定の要件を満たすときには、日本で納めるべき所得税額から外国で支払った税額を差し引くことができる制度が設けられています(外国税額控除)。この外国税額控除の適用を受けるためには、確定申告書に外国所得税を課されたことを証する書類など一定の書類を添付して提出することが必要です。

サラリーマンの確定申告 サラリーマンのスーツ代は確定申告で必要経費にできる?

よくある質問で「サラリーマンのスーツ代は確定申告で必要経費にできますか?」というものがあります。

回答としては、「サラリーマンのスーツ代は確定申告で必要経費となる可能性はありますが、いろいろと制限があります。」 となります。

会社員・サラリーマン(給与所得者)の方でも、特定支出と言われるような一定の支出を行った場合には、特定支出控除を受けることができます。 
(特定支出控除の詳細は別記事で解説していますので、そちらを参考にしてください。)
 この特定支出控除の対象に、勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等)が入っているため、スーツ代も対象となる可能性があります。

ただし、特定支出控除の適用を受けるためには、一年間の特定支出の額が給与所得控除の額の1/2以上であることが必要です。
例えば、給与収入が500万の方であれば、給与所得控除の額は154万円となります。その1/2以上なので、年間77万円以上の支出があるときに初めて特定支出控除の適用を受けることができます。
また、特定支出について会社など給与の支払者が発行した証明書を入手する必要があります。

少ない金額では控除を受けることができないし、会社からの証明書ももらわないといけない。ということで、実際には使いにくいのです。その代わりに、会社員・サラリーマン(給与所得者)の方には、確定申告などしなくても給与所得控除を受けているのです。

不動産所得の確定申告 投資用マンションの修繕積立金は必要経費にできる?

投資用マンション(賃貸用マンション)の所有者が、管理組合に修繕積立金を支払うことがあります。
不動産所得の計算にあたって、この修繕積立金は、原則として実際に修繕等が行われ、その修繕費用に充てられた部分について、修繕等が完了したときに必要経費に算入します。ただし、次のような場合には、その修繕積立金を管理組合に対して支払ったときに必要経費にすることができます。

修繕積立金を支払ったときに必要経費に算入することができるとき

次のような事実関係の下で行われているときは、修繕積立金を支払ったときに必要経費とすることができます。
1.(管理規約等で)管理組合に対する修繕積立金の支払義務があること
2.管理組合は、支払を受けた修繕積立金について、区分所有者への返還義務がないこと
3.修繕積立金は、将来の修繕等のためにのみ使用されること
4.修繕積立金の額が、長期修繕計画等に基づいて、各区分所有者の共有持分に応じて、合理的な方法で算出されていること

上記を踏まえると、一般的な管理規約等に基づいて行われる修繕積立金の支払いであれば、支払ったときに必要経費に算入することができるものと考えられます。

一時所得と確定申告 満期保険金などを受けとったときの確定申告

生命保険等が満期となったときの満期保険金や解約したときの解約返戻金を受けとったときで、支払った保険料よりも受けとった金額(収益)が大きいときは、一時所得となり、確定申告が必要となる可能性があります。


(一時所得の計算方法)


一時所得の計算は次のように行います。

「総収入金額(受けとった満期保険金などのこと)-収入を得るために支出した金額(支払った保険料などのこと)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額」

上記のように最高50万円まで控除することができるため、収益が50万円以下であるときは所得税はかかりません。

また、一時所得の金額に対する課税は、上記で計算した一時所得の金額を1/2した金額に対して行われます。
サラリーマンなど通常確定申告を必要としない人は給与所得等以外の所得が20万円以下の場合は確定申告の必要がありません。
そのため、サラリーマンなどの場合は、生命保険の満期保険金等に関する収益が90万円以下であれば、確定申告をしないでよいこととなります。
なお、その方が確定申告をする場合には、すべての所得を申告しなければなりません。

住宅ローン控除の確定申告 住宅ローンを借換えしたときの住宅ローン控除

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を適用している場合で、住宅ローンをより低い金利の住宅ローンに借り換えをすることがあります。借り換えをした場合でも、一定の要件を満たしている場合には、引き続き住宅ローン控除の適用を受けることができます。


住宅ローンの借換えをしても、引き続き住宅ローン控除の適用を受けるための要件


次のすべての要件を満たしている場合です。

1.新しい住宅ローン等がもともとの住宅ローン等の返済のためのものであることが明確であること
2.新しい住宅ローン等の返済期間が10年以上であることなど住宅ローン控除の対象となる要件を満たしていること


ただし、住宅ローン控除を受けることができる年数は、住み始めたときから一定期間であり、住宅ローンの借り換えをしたとしても延長されることはありません。
また、借換えした住宅ローン等の残高が借換前の借換時の残高よりも大きいときは、住宅ローン控除できる金額について調整計算が必要となります。

譲渡所得と確定申告 マイホームを売却して利益がでたときの特例

不動産などを譲渡して利益がでたときには、不動産の保有期間に応じて、利益に対して所得税等の税金がかかるため、原則として確定申告をする必要があります。
保有期間が長期(5年超)の場合は、所得税率15%、住民税率5%で課税され、保有期間が短期(5年以下)の場合は所得税率30%、住民税率9%で課税されます。
(この他に復興特別所得税がかかります。)このように短期で売買した方が税率は高くなります。

ただし、マイホームを売却して利益がでたときには、次のような特例が設けられています。


1.マイホーム売却したときの3,000万円の特別控除の特例

譲渡所得(利益)から最高3,000万円を控除することができ、その控除した後の金額に所得税等がかかります。


2.マイホームを売却したときの軽減税率の特例

所有期間が10年超のマイホームを売却したとき、6,000万円以下の譲渡所得に対しての所得税率は10%(通常15%)となります。


3.マイホームを買い替えたときの特例

所有期間が10年超のマイホームを売却し、新しくマイホームを買い替えた場合には、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べすることができます。

なお、いずれの特例も適用要件が定められており、それを満たすときにのみ適用することができますので、適用要件を必ず確認しましょう。  

個人事業主の方の確定申告 外交員報酬を受け取っている方の確定申告

外交員、集金人又は電力量計の検針人などの外交員等の方が、外交員報酬として受け取ったものは、所得税の計算上、給与とは区分して取り扱われます。外交員報酬の所得税の区分では「事業所得」となります。


外交員報酬がある場合は、通常は確定申告が必要


 給与と同じように外交員報酬からも源泉徴収がされていますので、確定申告で所得税額を計算した結果、源泉徴収税額の方が大きければ税金の還付を受けることができます。一方、源泉徴収税額の方が少なければ、税金を追加で納めなければなりません。還付を受けるにしても確定申告が必要ですし、追加税額が生じる方は原則として確定申告しなければなりません(給与所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告は不要)。


外交員報酬から必要経費を差し引くことができる


外交員報酬をもらっている方が事業所得を計算する際には、受け取った外交員報酬が収入になり、そこから必要経費を差し引くことができます。交通費や通信費、営業目的で贈答品などを送ったときの交際費など外交員としての業務を行う上で直接生じた費用が必要経費となります。また、一定の場合には家内労働者等の必要経費の特例の適用を受けて、実際に生じた必要経費にかかわらず65万円まで控除することが認められています。

確定申告の基本 確定申告書ABの違い

所得税及び復興特別所得税の確定申告書の様式には「確定申告書A」と呼ばれる様式と「確定申告書B」と呼ばれる様式の2つのパターンがあるのをご存じでしょうか?どちらも非常によく似ていますが、申告内容によって使用する申告書の様式が異なってきます。


(確定申告書Aを使用するとき)

確定申告書Aは申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、配当所得、一時所得のみで、予定納税額のない方が使用します。所得が限定されているため会社員やパート・アルバイトの方など、その他の所得がない場合に使うことができます。ただし、前年分から繰り越した損失を控除する場合は申告書Aを使用することができません。


(確定申告書Bを使用するとき)

確定申告書Bは申告する所得の種類のかかわらずに使用することができます。そのため、個人事業主の方などは申告書Bを使用します。また、変動所得や臨時所得に関して、平均課税を選択して申告するときはこの申告書Bを使用します。

住宅ローン控除の確定申告 住宅借入金等特別控除証明書を紛失したとき

住宅ローン控除の適用初年度は確定申告をすることが必要ですが、適用2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を適用することができます。

年末調整で住宅ローン控除の適用を受けるためには、年末調整の際に、「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」と併せて、「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類をお勤め先の会社等の給与の支払者に提出しなければなりません。この書類の提出を受けることにより、給与の支払者は住宅ローン控除できる金額を計算することができます。

この書類を紛失してしまったときには、税務署に対して「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出することで再交付を受けることができます。申請書は、税務署へ持参または送付して提出します。なお、税務署の窓口で代理人が受けとることもできますが、その場合は、委任状を用意する必要があります。

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